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フランス国防省「核実験被害者補償法案」の邦訳

09年5月27日、フランス国防省は「核実験被害者補償法案」を閣議に提出し、了承されました。以下はその法案の邦訳です。この法案は、6月16日に国民議会の国防委員会で審議され、6月22日に国民議会の本会議で審議される予定です。

法案をめぐるテレビ番組への出演や、国防委員会で参考人として意見を述べるためにフランスに帰国している「フランス核兵器監視協会」のブリュノ・バリオさんは、私信で、フランス国防省の法案可決に向けた動きについて「まさにやっつけ仕事というべきやり方であり、被害者団体が動き出す前に、核実験の問題をできるだけ早く片付けてしまいたがっているようだ」と語っています。

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法案

首相は、

国防相報告を参照し、

憲法39条にもとづき、

以下の法を布告する。

フランス核実験の健康への影響の賠償に関する本法案は、国務院の諮問の後に閣議了承を受け、国防大臣により国民議会に提出される。国防大臣は、その提出理由を述べるとともに、審議を支援する。

第1条

① フランス核実験のさいの電離放射線への被曝に直接起因し、国務院の政令に定めるリストに登録されている放射線障害に罹患しているすべての者は、本法に定める条件のなかでその損害の全面的な賠償を得ることができる。

② その者が死亡している場合、その遺産相続人がその申請を行うことができる。

第2条

① その者は、次の場所および時期のいずれかに居住または滞在したことがなければならない。

② 1960年2月13日からサハラ軍事実験センターに1967年12月31日までの期間、またはオアシス軍事実験センター、または両センターの周辺区域に1966年11月7日から1967年12月31日までの期間、

③ ムルロア・ファンガタウファ環礁に1966年7月2日から1998年12月31日までの期間、または角の内部[訳注1]に位置する仏領ポリネシアの被曝区域に1966年7月2日から1974年12月31日までの期間。

④ ①に言う周辺区域、ならびに②に言う角の内部に位置する区域は、国務院の政令により定める。

第3条

申請者は、第2条に定める場所および期間に居住または滞在したこと、ならびに第1条の適用により定められたリストに記載されている疾病のひとつに罹患していることを証明する。

第4条

① I. – 補償申請は、個別に補償委員会に提出する。補償委員会は、国務院裁判官または破棄院裁判官を委員長とし、主として医学専門家により構成する。

② 遺産相続人は、本法の公布後5年以内に補償委員会に審理を付託することができる。

③ 同委員会は、補償の条件が満たされているか否か、とくに、当該者の疾病の性質および被曝条件を考慮して、当該者が罹患している疾病と核実験との間の因果関係が存在すると見ることができるか否かを検討する。

④ II. – 同委員会は、あらゆる有用な科学的または医学的調査を、職業上の守秘義務に妨げられることなく、自らまたは委託により行う。

⑤ 同委員会は、必要に応じてすべての情報をあらゆる国または地方自治体、社会保障管理の機関に要請し、または得ることができる。これらの情報は、申請の予審以外の目的に用いることを禁ずる。

⑥ 同委員会は、国防大臣に対して、申請をどのように扱うべきかの提言を行う。国防大臣は、その提言に鑑み、当事者に補償の提供、または申請の却下を通知する。

⑦ III. – 同補償委員会の構成、組織、申請者が提出する書類に添付すべきもの、ならびに申請の予審方法、とくに申請から補償の提供を通知するまでの期限は、国務院の政令によって定める。

第5条

① 補償は、資本の形で支払う。

② 同一の損害項目に対して申請者がすでに補償を受理している場合は、本法に定める補償額からその額を、とくに補償給付金を受給されている場合はその割戻額を差し引いた額を支払う。

第6条

補償の提供の受理は、民法第2044条に定める取引と同様の効力を持ち、係争中の訴訟行為はすべて取り下げられる。また、同一の損害の補償を目的とする他の訴訟行為はすべて受理不能となる。

2009年5月27日、パリにて作成

署名:フランソワ・フィヨン

首相:

国防大臣

署名:エルヴェ・モラン

訳注 —————————————————

[1] 核実験場を起点とし、一定の角度で一定方向に伸びる一定の半径でつくられる扇形の区域。
[2] 同法案のフランス語原文はこちら

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