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パペエテ労働裁判所判決:原告側テッソニエール弁護士の声明

ポリネシアでのフランス核実験がもたらした健康被害の補償を求めたポリネシア初の元核実験労働者による訴訟の判決が09年6月25日に下されました。この判決の内容と解釈について、原告の元労働者側の弁護士を務めたJ.-P. テッソニエール弁護士が、判決翌日の6月26日に声明を発表しました。ポリネシアの労災法で定められている医師の診断後2年以内という申請期限が、裁判官や弁護士にとって、私たち法律の素人が考えるよりもはるかに大きな壁だったことが伺えます。以下はその邦訳です。

モルロアと私たち協会

パペエテ

2009年6月26日

声明

フランス核サイト元労働者弁護士ジャン‐ポール・テッソニエール弁護士

2009年6月25日、パペエテ労働裁判所は、フランスの太平洋核実験場で働いた元労働者本人またはその未亡人が、国(太平洋実験センター)と原子力庁(CEA)、そして各民間雇用主がその責任を認めることを求めて起こした初めての訴訟で、8件の判決を下した。この判決の特筆すべき要素を以下に記す。

1/ この訴訟には、とくに本件が時間を経ていることと、仏領ポリネシアで適用可能な法規に照らして、補償請求がすでに時効となっていると考えられるという、乗り越えがたい手続き上の困難があった。

裁判所は、8件の訴状のうち5件について、こうした困難を乗り越え、その1件では被害者の子供に精神的苦痛を与えたとして、あえて原子力庁の責任を認めるところまで踏み込んだ判決を下した。

2/ 5件の訴状について、裁判所は、手続き上の困難を乗り越え、裁判所が疾病と放射線被曝の関係を検討できるとしたが、これも原子力庁がその職員の健康管理を怠っており、当然行うべき安全義務に違反しているとの判断によるものである。

裁判所は、原告のポリネシア人労働者が、放射能を帯びた粉塵の吸引に対する防護対策を受けていなかったこと、放射能を含んだ礁湖の海水を源とする脱塩水を使用していたこと、魚介類の消費監視の実効性がなかったことを認めている。

核実験場に配備されたポリネシア人の労働条件についての裁判所によるこうした検討から、太平洋実験センターと原子力庁が、労働者が後に罹患した疾病と直接因果関係を持ち得る過失を犯していたことが浮き彫りになる。

3/ 疾病と裁判所が指摘した過失との間の因果関係が存在するか否かを判定する専門家による判定が命じられたが、その専門家調査の費用は太平洋実験センターまたは原子力庁に帰せられる。

4/ このように、国および原子力庁が犯した過失を認めたことは、すでにフランス本国で行われている多数の判決に続くものであり、同じ方向での判断である。

この判断は、フランス核実験の被害者の権利を認める上で重要な一歩を成すものである。

5/ この判決は、現在国民議会で審議中の核実験被害者補償法案を、補償の原則と金額を定めることを任務とする独立機関の設置に向けて修正することにもつながるはずである。

パリ弁護士会所属 テッソニエール弁護士

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