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Archive for the ‘仏国防省「核実験被害者補償法」’ Category

COMMUNIQUÉ – Les droits des victimes des essais nucléaires français, sont-ils inférieurs à ceux des survivants des bombes atomiques de Hiroshima et de Nagasaki ?

Nous, les survivants des bombes de Hiroshima et de Nagasaki et leurs soutiens, nous félicitons que les luttes menées depuis des années par les associations de victimes des essais nucléaires aient abouti à contraindre le gouvernement français à enfin reconnaître sa responsabilité dans les effets nocifs de ses essais nucléaires. Mais, malgré l’annonce prometteuse du Ministre de la défense et une couverture médiatique importante, on constate plusieurs lacunes à combler dans la loi Morin, quand on la compare avec l’actuel système japonais de reconnaissance des victimes des bombes atomiques —bien que celui-ci soit encore insuffisant.

日本の被爆者「モラン法」を批判 共通の目標をアピール

すでにお伝えしましたように、フランスで2009年末に成立した「核実験被害者補償法(モラン法)」にはいくつもの欠陥があります。その欠陥を、日本の被爆者の立場から指摘し、批判した声明を、原水禁と広島・長崎の被爆者・被爆二世が発表しました。また、当日開催中の「第2回フランス核実験被害者アルジェ国際会議」に合わせて、この声明のフランス語版が会議参加者、フランス核実験被害者団体、フランス、アルジェリア両国政府に対して送られました。

フランス核実験被害者補償法(モラン法)の欠陥とは何か?

2008年11月末にエルヴェ・モラン・フランス国防相が立法の意向を表明した「フランス核実験被害者補償法」は、ほぼ1年後の09年12月22日にフランス上院で可決され、2010年に施行の見通しとなりました。 日本も含め、フランス内外のマスメディアでは「長い間放置されてきたフランス核実験被害者にようやく救済への道を開いた歴史的な法律」といった報道が行われ、あたかもこの法律によって被害者の補償問題が解決したかのような印象が広がっているように見受けられます。 しかし、当の被害者団体はこの法律を「遅すぎた不十分な法律」と非難しています。それは何故でしょうか?

フランス核実験被害者法(モラン法)案, 国民議会で可決:数カ所で被害者側の要求盛り込む

09年5月27日に閣議決定された「フランス核実験被害者法(モラン法)」案は、6月22日に国民議会に提出され、6月30日に可決されました。結果は不十分とはいえ、この審議中に、被害者側が要求した項目のいくつかが条文として反映されました。 主な修正点のひとつは、補償対象地域として、後方基地が置かれていたハオ環礁の一部とタヒチ本島の一部が追加されたこと。 もうひとつは、補償法の適用状況を追跡し、必要な提言を行う「追跡委員会」の設置が盛り込まれたこと。これにより、不十分な現状のまま可決・施行された場合でも、将来同法を回生し、被害者の声を反映させ、補償対象を拡大するための糸口がともかくも用意されたと言えます。 文中、下線部は、09年6月22日に国防相が国民議会に提出した法案に対して、国民議会での審議によって修正された部分を示しています(下線は訳者による追記)。

パペエテ労働裁判所の判決をどう見るか?

すでにお伝えしていますように、パペエテ労働裁判所は09年6月25日、元核実験労働者8人の労災不認定取り消しの求めを、「申請期限を過ぎている」として却下しました。しかし、その一方で、すでに死亡してる原告1人の子供3人に対して1人あたり100万CFPの損害賠償を命じたほか、原告4人について疾病と核実験による被曝との関連を調査するよう命じました。 被害者団体のモルロアと私たち協会は「人種差別の判決」と批判している一方、原告側のテッソニエール弁護士は「ポリネシア法の制約のなかでかなり踏み込んだ判決」と、一定の評価をする声明を行っています。 この判決をどう解釈すべきなのか? 国民議会で6月25日から審議中のフランス国防省が提出した「核実験被害者補償法案」に被害者側の要求を踏まえた修正をできる限り加えるべくパリで奔走中のブリュノ・バリオ氏に、メールで率直な疑問をぶつけてみました。 以下はバリオ氏とのやり取りをまとめたものです。

フランス国防省の「核実験被害者補償法案」:日本での報道

フランス国防省の「核実験被害者補償法案」について、日本でも下記のような報道が行われています。合わせてご覧下さい。

モルロアと私たち協会、仏国防省「核実験被害者補償法案」を批判

ポリネシアのフランス核実験被害者がつくるモルロアと私たち協会は、09年5月27日にフランス政府が閣議了承した「核実験補償法(モラン法)案」について、「国民の目を欺くための政治宣伝」と厳しく批判しています。以下は、09年5月30日にモルロアと私たち協会が発表した声明の訳です。

フランス国防省「核実験被害者補償法案」の邦訳

09年5月27日、フランス国防省は「核実験被害者補償法案」を閣議に提出し、了承されました。以下はその法案の邦訳です。この法案は、6月16日に国民議会の国防委員会で審議され、6月22日に国民議会の本会議で審議される予定です。 法案をめぐるテレビ番組への出演や、国防委員会で参考人として意見を述べるためにフランスに帰国している「フランス核兵器監視協会」のブリュノ・バリオさんは、私信で、フランス国防省の法案可決に向けた動きについて「まさにやっつけ仕事というべきやり方であり、被害者団体が動き出す前に、核実験の問題をできるだけ早く片付けてしまいたがっているようだ」と語っています。

フランス「核実験被害者補償法案」:エルヴェ・モラン仏国防相の発言内容(フィガロ紙)

エルヴェ・モラン仏国防相は、フィガロ紙のインタビューで「核実験被害者補償法案」の内容を発表し、核実験の被害を一切否定してきた従来のフランス政府の姿勢を一転し、被害があったことを認めた上で、国が補償する制度をつくる意向を表明しました。以下は2009年3月24日付フィガロ紙のインタビュー記事の訳です。 ———————————————————————————

フランス国防省の「核実験被害者補償法案」について被害者団体がコミュニケを発表

08年11月末にフランス国防省が「核実験被害者補償法」案を提出する意向を発表した後、フランス政府と被害者団体との間で「共和国仲裁人(Médiateur de la République)」を仲介者とした折衝が行われてきました。 「共和国仲裁人」とは、市民と行政当局との間で紛争が起きたさいに、両者の間に立って調停を行い、行政裁判にまで至る前に紛争の解決を試みる国の独立機関です。この「共和国仲裁人」を仲立ちとして、被害者側は「核実験被害者補償法」案への要望を提出しました。 この要求項目のいくつかは、政府原案に取り入れられたもようです(原案段階の条文が未公表のため不明)。ただ、共和国仲裁人による提言を国防省がどこまで取り入れるかは不透明で、実際の法案の内容と被害者の望む補償制度との間には、まだかなりの距離があるようです。以下は、これまでにこの折衝について被害者団体側が連名で発表したコミュニケの訳です。

B. バリオ:フランス国防省の核実験被害者補償法案は世論を欺く詐欺

先にお伝えした、フランス国防省による核実験被害者補償法案について、被害者運動の立役者のひとりであるブリュノ・バリオさんがコメントを寄せています。以下はその訳文です。

被害者の運動潰し:フランス国防省の「核実験被害者補償法案」

エルヴェ・モラン仏国防相は、08年11月27日にコミュニケを発表し、フランス核実験被害者補償法案を来09年第1四半期に提出する意向を発表しました。 1960年にサハラ砂漠で最初の核実験を行って以来、フランス政府は一貫して「フランス核実験による放射能で被害を受けた者はいない」とする主張を貫いてきました。今回、モラン国防相は、「われわれは核実験被害者を認めなければならない」と述べ、フランス政府が2009年第1四半期に核実験被害者補償法案を提出する準備を進めていることを明らかにしました。この発表は、フランス政府がこれまでの立場を初めて覆し、被害者が存在することを認め、その補償を行う意向を示したという意味で、画期的な一歩といえます。フランスのメディアは、こぞって「フランス政府、核実験被害者に補償」「元核実験従事者に希望」といった見出しで大きく報道しています。 しかし、発表された政府法案の骨子を見ると、これまで被害者団体が要求してきた内容とはほど遠いもので、基本姿勢は従来とまったく変わっていないことが分かります。