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Archive for June, 2009

パペエテ労働裁判所の判決をどう見るか?

すでにお伝えしていますように、パペエテ労働裁判所は09年6月25日、元核実験労働者8人の労災不認定取り消しの求めを、「申請期限を過ぎている」として却下しました。しかし、その一方で、すでに死亡してる原告1人の子供3人に対して1人あたり100万CFPの損害賠償を命じたほか、原告4人について疾病と核実験による被曝との関連を調査するよう命じました。 被害者団体のモルロアと私たち協会は「人種差別の判決」と批判している一方、原告側のテッソニエール弁護士は「ポリネシア法の制約のなかでかなり踏み込んだ判決」と、一定の評価をする声明を行っています。 この判決をどう解釈すべきなのか? 国民議会で6月25日から審議中のフランス国防省が提出した「核実験被害者補償法案」に被害者側の要求を踏まえた修正をできる限り加えるべくパリで奔走中のブリュノ・バリオ氏に、メールで率直な疑問をぶつけてみました。 以下はバリオ氏とのやり取りをまとめたものです。

パペエテ労働裁判所判決:原告側テッソニエール弁護士の声明

ポリネシアでのフランス核実験がもたらした健康被害の補償を求めたポリネシア初の元核実験労働者による訴訟の判決が09年6月25日に下されました。この判決の内容と解釈について、原告の元労働者側の弁護士を務めたJ.-P. テッソニエール弁護士が、判決翌日の6月26日に声明を発表しました。ポリネシアの労災法で定められている医師の診断後2年以内という申請期限が、裁判官や弁護士にとって、私たち法律の素人が考えるよりもはるかに大きな壁だったことが伺えます。以下はその邦訳です。

ポリネシア人元核実験労働者補償訴訟判決:日本での報道

09年6月25日のパペエテ労働裁判所によるポリネシア人元核実験労働者補償訴訟判決について、日本でも下記のような報道が行われています。併せてご覧下さい。

ポリネシア人元核実験労働者補償訴訟で初の判決:原告8人中1人に300万FCFP(約336万円)の賠償のみ

ポリネシアでのフランス核実験で被曝して受けた健康障害への労働災害申請不認定の取り消しを求めてポリネシア人元核実験労働者8人(うち5人はすでに死亡)が起こした初めての裁判で、パペエテ地方労働裁判所は、原告のなかのすでに死亡している1人について、その3人の成人の子供に1人当たり100万CFP(太平洋フラン。約112万円)の賠償を支払うよう、雇用主であったフランス原子力庁(CEA)に命じる判決を下しました。その他の原告については、4人について医学的鑑定を行うことを命じましたが、他の3人については請求を棄却しました。

フランス国防省の「核実験被害者補償法案」:日本での報道

フランス国防省の「核実験被害者補償法案」について、日本でも下記のような報道が行われています。合わせてご覧下さい。